ここ２，３日で急に気温が秋めいてきました。あんなに暑かった毎日がウソのようです。季節の変わり目って言うのでしょうか。思い出話にひたるわけではありませんが以前にイタリアに滞在していたときと同じ感じがして急に懐かしくなりました。
南イタリアのマテーラという小都市に10年ほど前2カ月ほど滞在しました。初めの2週間は国際ワークキャンプというものに参加し、世界各国から集まった若者が共同生活しながら古い教会や遺跡の調査をするというものでした。8月でしたので今年の日本のように毎日暑くて、調査よりもみんなで行った海やジェラートが記憶に残ってたりして。。。その後、僕はこの町がとっても気に入ったので知り合いに相談して1カ月ていどの家を探しました。街はサッシと呼ばれる洞窟住居が特徴で岩山をくりぬいて住居を拡大していく構造で、僕が借りた家もサッシでした。
こんなすてきな部屋が確か一カ月６万円だった気がします。小さな町なので普通の観光客は半日で通り過ぎるだけですが、一か月ともなると何か出来るものです。
僕は地元の建築家を紹介してもらって一カ月現場に入り浸ってました。今から考えると建築家も迷惑だったと思いますし、言葉もろくに話せない日本人が突然現場に来てスケッチをはじめたりして現場もさぞかし不思議だったと思います。でも日本と違う石の建築文化を生で感じることができて本当に貴重な体験でした。
古く、腐った石は新しいものにかえればよいという柔軟な石文化。いがいに扱いも簡単でびっくり。
そんな毎日をすごしていてある日朝起きると目の前の街がいつもと違っていました。
霧がでて街の風景が一変。幻想的で奥行きのある風景は街のイメージを変化させ、多様なものにしていました。時間や季節や天気によってこんなにもかわるものか！街の価値って一つじゃないんだ！って感動しました。そして街に秋がやってきたのでした。
